サブカル備忘録

映画・アニメ・音楽、全てのカルチャーは処方箋

ドレスコーズ 360°完全解放GIG @新宿紅布

僕らはおそらくすごい秘密を抱えてしまったのかもしれない。
ドレスコーズの志磨遼平はこのライブ前半に「ここで起きたことは僕らだけの秘密だよ」と言った。そして、ライブが終わった後ふと気がついたのは、ライブ中のことをあまりにも覚えていないことだ。何が起こったのかよく分からなかったのだ。だから、ここには始まる前と終わった後の話を書く。

今日は「360°完全解放GIG」という響きのせいなのか1日中そわそわしていた。今までに何十本というライブを行っているはずなのに、ものすごくそわそわしていた。会場に入った瞬間目に入る、フロアの真ん中のバンドセット。何がどうなのかよく分からなくなりますます緊張は増すばかりだった。
そして、開演時間7時半。お客さんの入場が終わらないのか、なかなか始まらない。なんだかとても緊張していた。まるで初めてライブを見にきた学生かのような気持ちでいた。
会場BGMが次々と流れて行く。僕らはその移り変わりに揺られながらもそわそわしていた。BGMの音量が上がる。
「あぁ、知ってるやつだ、ライブが始まるやつだ!」

1音目が鳴る。その瞬間にライブが好きな理由がなんとなくわかった気がした。こんなセックスなんかよりも何倍も気持ちよい瞬間を味わえる快楽があるからやめられないんだと。音と音と音と音。そこにあったのはまぎれもないライブ感だった。

ライブが終わりみな汗だくになりながらも、志磨くんの乾杯の音頭を待つためにフロアに残った。志磨くんが出てきて、「乾杯!」の声とともに客席にダイブする。もう何が何だかわからない。ただ、あそこにいた人たちはみんな笑っていた。多分あそこには幸せが確実にあった。

ドレスコーズほど見る人たちを裏切るバンドを僕は知らない。そして、彼らほど見る人たちを幸せにするバンドを僕は知らない。

平凡【Digital ALBUM】

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